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彼はガレ−ジから車をだしながら、「日本からですか」と運転席から尋ねた。「はい。ダブリンから来たところなんです」と言うと、「この街に何か目的でも?」と聞きながら降りてきた。「ダブリンのB&Bのオ−ナ−が、この町を薦めてくれたんです」、彼はフロントガラスを拭きながら、「彼女が、この街を推薦した理由は?」と聞いてきた。「彼女に、学生のときに読んだ、レイデ−・グレゴリ−と戯曲『The Rising Of The Moon』の事を話すと、彼女は、「ゴ−ルウエイに行きなさいと」勧めてくれたんです。 彼は、「グレゴリ−に興味を?今日、行く所は決めているのですか?」。すっかり長い立ち話になった。彼の「出勤時間」の事が気になった。しかし、彼は「気にかけず、エンジンはかかったまま。「決めていません。この街はとても綺麗、ゆっくりします」と言うと、「ク−リ−パ−クはご存じですか」と僕の顔を見た。「ガイドブックで・・・・」と言うと、「今日の午後ク−リ−パ−クに案内してあげます」と。
彼は車のダッシュボ−ドからメモを取り出した。「今日の1時30分にここに来て下さい。場所が分からない時は電話を下さい」と言って地図と名前と電話番号をくれた。「U大学は直ぐ分かります。学内の講堂前でお会いします」と言って車を発車した。先ほどの学生達が、彼に交わした「丁寧過ぎる挨拶」の「意味」は、彼がU大学の「講師か教授」との認識上での挨拶だったようだ。車が見えなくなり目前が現実に戻った。頭上の真っ黒な雲は、飛ぶ速さを急激に加速した。水滴から大粒の雨に変わり、「ばしばし」と落ちてきた。黒い雲が凄い速さで飛び始めた。手を伸ばせば雲に届くほど低い。黒マントの様な雲が超低空で急流の水のよう。傘を持たずに来たのでB&Bに戻ることにした。
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ユニバーシティカレッジ |
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先日2025年9月24日大学に依頼文及びホームページアドレス送信 |
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1996年 9月 |
現 |
B&Bに戻った。それほど降水量はなかった。濡れた頭を気にしながら鍵を開け中に入った。台所で婦人が朝食の用意をしている。彼女は、「散歩はどうでしたか」とニッコリと挨拶。「とても」と笑顔を見せると、「朝食お食べになりますか」と聞いた。「はい。すぐに降りてきます」と言って二階に上がった。アラン島(今日の予定)に行く事もなくなった。ジ−パンとポロシャツに着替え階段をおりた。彼女は景色が見える窓際の丸テ−ブルに案内した。白いテ−ブルクロスの上の一輪さしの花と花瓶可愛い。「パンはト−ストになさいますか」、「2枚とレモンと紅茶をお願いします」、「わかりました」と言って台所に戻った。
テ−ブルの上に、おなじみのアイリッシュ・ブレックファ−ストの「食器セット」が並んでいる。花模様のある大きなお皿に、目玉焼き、ソ−セ−ジ、トースト、野菜がお皿に綺麗に並らんでいる。部屋に戻ると天気は回復していた。満腹でしばらくベッドに座った。もう一晩ここに泊まれるから気は楽だ。夫人に「街へでます。10時までに戻ります」と言うと、「夜は遅くてもOKよ」と微笑ながら、玄関迄送ってくた。外に出た。「国道?車は僅かで閑静な町だ。1時間ほど歩けば街に着く、歩く事は肪分の消化と気分転換のためである。すぐにタクシ−を拾う事が出来た。彼との「約束」も有り、車に乗ることにした。9時過ぎケネデ−パ−クに着いた。慣れた横断歩道を渡り、ウィリアムズ通りに向かった。ウィンド−ショッピングをしながら聖ニコラス教会へ。そして、昼食を食べU大学へ行くことに決めた。
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